過去の起業で失敗したと感じた点

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どんどんとアプリの話からはかけ離れていきますが、殴らないでください。

私は前回のエントリでも触れましたが、過去に2度起業を行いました。

1度目の起業を経験して、どういうところがダメだったのかと思う所があります。

逆に失敗する点を抑えておけばそれなりにうまくはやっていけるのではないでしょうか。

大して参考にはならないと思います。

 

事業拡大のタイミングを見誤っていた

起業を経験されている方なら誰しも思うのではないかと思いますが、

「創業メンバー」のみで事業を続けている限りは、食うに困ることはありません。

大半の方が、今まで既にやっていたような仕事を、新しい環境でやるだけなわけで、

さらには自分の会社なのでやればやるほどメリットがあると考えればモチベーションもあがります。

稼げる金額には大小あるでしょうが、メンバーが食っていく分を稼げるというのは至極当然の話なのです。

 

ですが、あるタイミングで思います。

「俺達はいつ楽になるんだ」と。

客観的に考えると、今まで他の会社で社畜として働いていたのと、今の状態と何が違うのだ、と思うのですね。

創業メンバーであれば、実務だけではなく会社の方向性やこれからの事業計画についてミーティングを繰り返し行なったり、銀行や様々な所とやりとりをしたりなど、こなさないと行けない責務は今まで以上になるので、なおさらです。

しばらくは「起業達成補正」で我慢できるのですが、長くは持ちません。

 

社畜が嫌でスピンアウトをしたのに、食ってはいけるんだけど、しんどい状況は変わらないじゃないか…というジレンマに陥るのです。

 

そうなると、できる対策としては、自分たちの作業を分担できる社員かパートを雇い入れて、負荷を分散させていくしかない、となるわけです。

同時に、人を雇うだけの収益も確保しないといけないので、仕事の間口を広げる必要性も出てくるため、仕事の量も増えます。

 

ないしはこのようなパターンもあるでしょう。

 

ひょんなことから大口の仕事が舞い込んできて、これをこなせば売り上げ的にも、実績的にも大きいので、どうしてもやりたい。

しかし手が足りないので、急遽、新規に人を雇い入れる。

 

他にも色々な要素があるんでしょうが、こうやって企業と事業規模は大きくなっていくのだと思います。

 

しかし、そのタイミングで本当に良かったのだろうか。

 

これが全体で6〜7人規模、ひとつの部屋で全員の顔が見渡せる範囲の規模であれば、うまくやっていけるのではないかと思います。

それ以上の規模になっていくと、どんどんと破綻していきます。

挙句の果てには、仕事を回すために銀行からお金を借りてまで、人件費にあてるという始末です。

 

うまくいっている企業も多くあるので、全てに当てはまるわけではないと思いますが、やはり創業者メンバー以外の人を雇う、というところが一つ目の分岐点なのではないかと思います。

 

自分たちの作業の負荷を軽減させたい、とか、なんとなく事業を大きくしていきたい、今もみんな頑張ってこなせているんだから、できるはず、という目線で拡大をしていくのは非常に危険だと思うのです。

しっかりとデータに則した判断をしていくことが重要なのだと思います。

 

目標は毎月ちゃんと達成できているか、経常利益はしっかりとあげれているか、メンバーの残業時間から考えて、工数で考えると、今こなせている仕事は本来ならどれくらいの利益率なのか。

人を一人雇うコストというのは月単位で見ていては安く感じますが、実際は少なくとも1〜2年はたまたそれ以上在籍するわけですから、トータルコストをみるととても莫大です。

自社がそれに耐えうる企業なのかどうか、しっかりと判断できた上での事業拡大でないと、いつか破綻してしまうのではないかと思います。

 

 

目標が達成できなかった時の決め事を決めきれていなかった

事業計画や年間の売上目標など、そもそも作らないというのは論外なのですが、起業直後で必死に仕事をしているタイミングでは、んなもん考えてる余裕ねーよ、となったりします。

そのため、出来上がる目標は今の売上を掛け算して+αした数値になったりしてしまうわけですが、今にして思えば、これでは良くないし、意味のある内容ではありません。

 

目標があって初めて、「今月はまだ目標に達していないからこれこれをしなければいけない」という意識が生まれるわけなので、それがなければ何も考えてないのと一緒ですし、やりがいもないでしょう。

目標の数字があって、それを元にして事業計画が立てられるのだから当然といえば当然です。

若い頃はそれがあまり理解できなかったし、なによりそれを考える余裕もなかったように思います。

 

そして大きく問題が起こるのは「目標を達成できなかったとき」です。

多くの場合は目標値が黒字と赤字の境目ラインになっている場合が多いので、すなわち経営をどうしていくかという話に切り替わるわけなのですが。

これは、その時になったら考えるというスタンスでは絶対ダメなんですね。

予め決めておかないといけないです。

目標を達成できなかった場合は、事業規模を縮小するのか、給料を減らすのか、人員を解雇するのか、手段はいろいろでしょうが、これが曖昧だと「借金をする」という選択肢しか残らなくなり、どんどん借金が増えていきます。

代表を交代する、というのも手段の一つだと思います。

 

なんにせよ、しっかりと明確に、決め事をしておかないと後々かならず問題になるわけです。

 

 

社員に「経営者目線」を強要することはできないことを理解する

どんな人も「経営者目線」を持つべきだ、なんていう話がでるとネットではすぐ批判の的になりますねw

私はこの「経営者目線」を持つべきという意見には大賛成です。

それは、会社のためを思って頑張ってくれ、という意味ではなくて、これから人生をやっていく上で非常に大切な目線だからです。

この考え方をもてるかどうかで、今後の仕事への取り組み方や、成功の度合いなども変わってくると思いますし、物事の見え方も変わってくると思います。

いつまでも社畜になるのが嫌なら、逆になおさら経営者目線を持つべきです。絶対的にそう思います。

経営者目線を持てない人は正直いらない、とも思います。

 

ですが、これを社員に強いるのは、無理なのです。

今までも色々語り説明し、説得し、話をしてきたのですが、社員には社員の立場であり意思があるんですね。

頭のなかでは理解していても、そういった理屈で割り切れる問題ではないのだと思います。

 

だから、どれだけ社員に「経営者目線」を持て、といっても無駄なんですよね。

それに期待をしていても意味がない。

それを理解した上で、社員とどのように接していくのかが重要なのではないかと思います。

 

また、この「経営者目線」を持って欲しい、という訴えには

「役員・取締役のメンバーの経営をするという苦労を理解してほしい」

という意味合いもあります。

そういった所が打算的すぎるのかもしれませんね。

そんなことをしなくても、苦労しているというのはわかってる人はわかっています。

ですが、当然社員にも社員の人生があるわけで、社員本人の利益にともなって行動をするわけですから、なにもかも会社のことを理解してくれというのは無理な話なのです。

 

経営のことは経営者だけで行い、解決する。社員とは一線を引く。

これが大事な事なのだと思います。

 

別に一線を引くといっても、仲良くするなとかいう意味ではありません。

経営に携わるものと、そうでないものの利害関係を十分理解していないと痛い目を見るということなのです。

 

 

 

失敗点なんか他にもたーーーくさんあるとは思うんですが、

そういうところも踏まえて、Mokosoftは細々とやっていこうと思う次第なのでした。

 

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