レベニューシェア(英: Revenue share)とは、アライアンス(提携)手段のひとつ。 支払い枠が固定されている委託契約ではなく、パートナーとして提携し、リスクを共有しながら、相互の協力で生み出した利益をあらかじめ決めておいた配分率で分け合うこと。
IT業界で、Web開発やアプリ開発をしている方は、「レベニューシェア」という言葉に触れたことも多いと思いますし、実際に関わったという人も多くいるのではないかと思います。
しかし、あまり景気の良い話しは聞かず、「失敗した」とか「もうやりたくない」とか苦い経験をされている方が多く見受けられます。
かくいう私も何度も苦い経験を味わいました。
何故失敗してしまうのか、考えてみたいと思います。
まずは「失敗」「成功」といいますが、そもそもどういった状態が「失敗」なのでしょうか。
レベニューシェアの成功と失敗
ビジネスにおける成功について、明確な定義があるのかは知りませんが、多くの方のイメージとしては「それで飯を食っていける」というのがあるのではないでしょうか。
逆に言うと、明確な目標が設定されていないので、成功のニュアンスが曖昧になってしまいます。
そして、「成功」しなかったプロジェクトは「失敗」と考えられると思います。
これはレベニューシェアでは非常に大事なことなのではないかと考えています。
飯を食っていけるレベルの売上というと、関わるメンバーの数にもよりますが、月に100万以上は売上を確保していきたい所ではあります。
しかし、パッとでのアイデアでそれだけ売上を出せるほど甘い世の中ではないと思います。
最初から、このビジネスの目標が毎月5万円を稼ぐこと、などとしていれば成功のハードルは低くなります。
関係者全員が成功の明確な指標を理解しつつ、事前によく吟味をしてプロジェクトに望むことで、失敗という状況は避けることは可能なのではないでしょうか。
- 成功の基準を明確に数値化できていない
- 関係者全員で成功の定義を共有できていない
開発費が無料になるという幻想
受託開発をしている開発会社ほど、よくレベニューシェア案件を持ちかけられるのではないかと思います。
何故そうなるのかというと、レベニューシェアだと開発費がタダになると考えてる人が非常に多いからです。
逆に言えば、開発費をかけたくないから、レベニューシェアとして開発会社に持ちかけるわけです。
どうしてレベニューシェアにすると開発費がタダになるのでしょうか。
それはたぶんこんな論理です。
「御社、受託開発だけやってると自転車操業でしょう?」
↓
「今、こんな商材があって、これを使ってサービスを立ち上げたら毎月固定収入が入るんですよ」
↓
「固定収入があると、余裕が生まれるでしょう?
俺は商材をひっぱってくるから、御社は開発できるんだからサービス構築を(無料で)してくれない?
そして売上はシェアしたらWin-Winでしょ?」
こんな単純じゃないでしょうけど、基本軸はこんな感じじゃないでしょうか。
開発会社としても、確かに固定費を稼げるサービスをリリースしたいという気持ちは強いため、渡りに船だと思ってこうした話しにまんまと乗っかってしまったりするんですね。
ですが、大体の場合、苦労の末サービスを立ち上げても、さっぱり売上につながらず、しばらくしてサービスをたたむことになり、赤字と関係者間の不和を残すだけの結果になるケースが多いです。
声をかけてきた商材ひっぱってくるマンの方は痛手が少ないですが、開発会社の方はがっつり開発に人件費を割いているわけで、相当の痛手があります。
(後にこの時作ったリソースを別の開発などに流用できるなどのメリットもある)
まず、この「レベニューシェアで、開発会社が開発を無償で担当する必要がある」という認識自体が間違っているのです。
冒頭のレベニューシェアの説明文にもあるように、パートナー間でリスクを共有する必要があるのに、商材ひっぱってくるマンはたいしたリスクを背負っていません。
そのため、気持ち的にも「別に失敗してもいいや、成功したら儲けもん」くらいの感じでことに当たる傾向があります。
しかも、サービスを立ち上げたのに、ろくなマーケティングもせず「なんで売上あがらないのかなぁ」みたいにのんきに構える始末です。
ここで大事なのは、サービス開始前後に必要となる諸費用(営業活動費、開発費、宣伝費等)をしっかり算出し、パートナー同士でお金を出し合うことです。
最初に出資し痛みを伴うことで、このサービスを絶対に失敗させることができない、という意気込みも出てきます。
それが「リスクを共有すること」で、これが出来ていないと失敗した後に「もうレベニューシェアはやりたくない」となることが多いと思います。
- 開発費を無償で対応をしてはいけない
あえて開発費を無償でして成功するケースもある
無償でするなといったり、無償でするといったり、どっちなんだという感じですが、考えながら適当に書いてるのですみません。
先程は、「開発費を無料に抑えたいために、開発会社に案件を持ちかけてくる」ケースで、これらは失敗に終わる場合が多いという話しでした。
しかし、逆のケースの場合、「それなりに売上があがってる」という話しを聞くことが多いです。
それが、開発会社からコンテンツホルダーへ提案を持ちかけるケースです。
コンテンツホルダーというのは、人気キャラクターを抱えている所が多いイメージです。
こうした人気キャラクター等は、一般的知名度が既に確立されているので、サービス等に利用すると集客率が非常に高くなるわけですね。
ですが、一般的にはコンテンツホルダーに対して使用料をお支払いして使わせていただくということになると思います。
これに対してサービスを構築できる開発会社などが、
「うちが無償でこれこれこうしたサービスを構築するので、レベニューシェアでやらせてもらえませんか?」
と持ちかけるのです。
ケースとしては様々で、とはいえ、使用料を持ち出しで折半したり、開発会社が一方的に支払わされたりした上で、レベニューシェアで7:3くらいで取られたりとかいう話しも聞いたりします。
これは先程の開発費と一緒で、キャラクター等の知名度によってどれだけ事前にリスクを共有できるのかという話しですね。
しかしながら、宣伝費を多くかけなくても集客がしやすいというメリットがあるため、小ヒット・中ヒットしているという話しはよく聞きますし、
大手の会社は基本的にこれをやって大きく売上を出しているイメージが強いです。
細木数子のアレとか有名ですね。
- ブランド効果の高いコンテンツホルダーには無償対応もあり
コネしかない無能なアイデアマンの存在
これはもう標題通りで、そういう人絶対プロジェクトに1人いるよねーって話しです。
基本的にコネがあるだけで能力は特になく、アイデアも陳腐というか人からの受け売りであることがほとんど。
当然ながらコネも能力ではあるのですが、そんな感じでレベニューシェアの割合にも入ってきたり紹介料をせしめてきたりして、
プロジェクトにもあれこれ口出しするだけしてきて、ほぼ何の役割も果たさない。
わりとそういうことだけをして、飯を食っていっている人も少なくありません。
というか感覚的にはとても多くいる気がします。
- コネしかもってないやつには気をつけろ
結局のところ普通のビジネスと変わりはない
レベニューシェアになると意識的に薄れがちにはなってきますが、やはり通常のビジネスと同様で、しっかり事前に事業計画を立て、収支を計算し、どういったスケジュールで、どのタイミングで見直しをするか、目標は何を数値化するか、ということをしっかり決めていないと、途中で路線変更もできませんし、ただただ失敗します。
誰も責任をとらない事業形態なので、失敗すると損しかしません。
そうした点を、関係者全員がしっかりと理解した上で、進めていくことが重要だと思います。
臭い感じではありますが「成功するぞ」という意気込みを全員が持っているかどうかも重要だと思います。
資本さえリスク共有で確保できていれば、あとはやる気の問題だと思います。
なんとなく、成功したらいいなぁ〜。空から金ふってこないかなぁ〜という気持ちでやっていて成功することは、まずないと思います。
事業計画の時点で、損益分岐点やいつのタイミングで見直しをするか、どうなったら事業撤退をするか、ということも全て決めておいた方が損害が少ないでしょう。
なによりも大事で見逃されがちなのがマーケティングで、作ったは良いけど客がこないでは話しになりませんから、どういった方法でどれくらいの費用をかけて宣伝をするか、なども見据えてやらないといけないと思います。
しかしそこまでやって、売上をシェアするわけですから、本当にレベニューシェアをしたいという相手がそこらへんにゴロゴロいるんだろうか、という話しなんですよね。
よほどのコンテンツホルダーとでなければ組みたいと思えない、というのが幾多のレベニューシェアを経験してきた開発会社の思いなのではないでしょうか。
毎度ながら適当に考えながら書いてるのでまとめもなくとっ散らかった文章で申し訳ありません。
なんか捕捉などあればコメントにでもお願いします。
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