今週のお題「憧れの人」
今まで、はてなブログにあった「お題」だけど、特にピンとくるものがなかったので
お題に沿って書くことなどないだろうと思っていた。
しかし、憧れの人、となると色々書いてみたいという気持ちが湧いてきた。
憧れの人というのは少し違うかもしれない。
好きだった人というか、尊敬する人というか、リスペクトしたい人というか、
そういった路線で書いてみようと思う。
まず最初に取り上げたいのは、近藤浩治氏である。
一体だれだそれはと思う人が多いのが悲しい事だが、おそらく全世界的に有名なアーチストと言えるだろう。
彼は任天堂の社員であり、スーパーマリオの作曲者、その人なのである。
ギターをやっている人ならば必ず最初に練習するのがディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だとよく言われるが、
誰もが耳にしたことのあり、かつ口ずさめるゲーム音楽といえばやはりマリオではないだろうか。
その後のマリオシリーズや、ゼルダの伝説シリーズの作曲も手がけているが、BGMの重要性とBGMのあり方というものを知らしめてくれた人と言えるだろう。
ちなみに、自分は音楽なんかこれっぽちもできないし、もっぱら聞くだけの人なので、音楽についてあれこれ偉そうに言える立場ではないし、リスペクトも当然できない。
ただ好きなだけだ。
近藤氏に特に好感が持てるのは、同社の宮本茂氏にも言えることだが、任天堂の社員でありつづけ、ユーザーのためにより良いゲームを作ろうと努力を行っていることだと思う。
今では二人とも後継者作りのために監修の立場にはなっていってるそうだが、その精神は確実に社内に広まっていると思われる。
独立してフリーになったり、アーティストを気取ることなくストイックに良質なものを作っていく姿勢がとても素晴らしいと思う。
社長の岩田氏もそうだが、任天堂には魅力的なスタッフが多い。
また、近藤氏はBGMを作成する際、ゲームを先にかなりやりこんで、どういう曲が良いのかを模索するそうだ。
ユーザー目線をとても意識していることが伺えるエピソードだ。
社長が訊く『スーパーマリオコレクション スペシャルパック』 サウンドトラックCD篇
数少ないインタビュー記事などがとてもおもしろいので是非読んでもらいたい。
近藤氏よりは宮本氏の方が表舞台に立つことが多いため、あまり目立ったエピソードが少ないのだが、人生において就職活動したのが任天堂1社のみ、というのがとても潔くてすごい。
しかも、大学は大阪芸術大学。
今話題の「アオイホノオ」の島本和彦や、同漫画に登場する庵野秀明らと同窓生だったのではないかと思われる。
どれだけ才能の宝庫なんだ、大阪芸術大学。
しかし、この時代のゲーム黎明期を支えたクリエイティブには、こうした協力なタッグが必要不可欠だったのだなあと常々思う。
任天堂で言えば、宮本&近藤。横井軍平氏も陰ながら支えたことだろう。
スクウェアだと、坂口博信&植松伸夫。伊藤賢治というとてつもない才能も忘れてはいけない。
ドラクエだと、堀井雄二とすぎやまこういち。これに鳥山明が加わり、中村光一がそれを形にするんだから、これ最強。
コナミだと、小島秀夫と矩形波倶楽部の古川もとあき。
日本ファルコムだと、木屋善夫と古代祐三。
やはり音楽なくして、ゲームは語れないと思う。
それにしてもすごい人達ばかりです。どの方も憧れの方ですが、全員掘り下げるとすると、すごい時間がかかりそうだ。
さて、ゲーム音楽についてもう一人取り上げたい人がいる。
これは単純に昔からファンであるというだけの理由なのだが、米光亮という人だ。
高校生の頃に「尊敬する人はだれか」という質問に、「米光亮という人だ」と答えたことがあるがそれは黒歴史である。
この人は作曲者なのだが、おそらくゲームの曲は作曲していないと思われます。
歌謡曲やポップス曲の作曲が主じゃないかと思うんですが、じゃあ何をきっかけに知ったのかというと、
PC-ENGINE版イースの編曲を行っていた人なのである。
編曲をしていると言われてもピンとこないと思うし、自分もまったくピンとこない。
編曲をしている人を上げろ、と言われても誰一人名前が出てこない。
それ程にうとい業界であるが、彼の名前だけは唯一知っているのだ。
それくらい氏の編曲した楽曲のインパクトがとてつもなかったのだ。
時期的なものもあったのかもしれない。
当時はスーパーファミコン全盛期の時代。
ゲームのBGMといえば、いかにも機械的な音源が主流だった。
しかも音源といっても楽譜をそのまま読み込めるわけではなく、サウンドコンポーザーが音をプログラミングして作成し、それを音楽に仕上げていたのだ。
一部のパソコンゲームでMIDI音源がやっと使われだした頃合いである。
それにしても、MIDI再生環境がないとろくに音も流れもしないのだ。
そんな時に登場したPC-ENGINE CD-ROM2はとてつもなくセンセーショナルだった。
媒体はCD-ROMであるから、オーディオで聞くCDと同じ音が聞けるのだ。
イースの移植においても、当時は音楽をどうするかというのは非常に悩んだらしい。
その辺は開発に深く携わった、いわさきひろまさ氏が回顧録として残しているので
興味のある方は一度読んでみると良いと思う。
Colorful Pieces of Game::立ち読み版出しときます。
パソコンのFM音源版をそのままCDに収録しようという話もあったらしいが、その時にいわさき氏が耳にしたのが米光亮氏の編曲した「イース パーフェクトコレクション」だった。
FM音源全盛の時代に、シンセバリバリ+生音というBGMが使えるということに、開発者であるいわさき氏も興奮したというエピソードが綴られている。
youtubeにFM音源版とPC-ENGINE版の楽曲があったので、参考にしてもらいたい。
FM音源の方が良い、という人も多いので、その辺は個人の趣向による所だろう。
しかし、この米光亮という人は、まったく表舞台に上がってこないので、どういう人なのかわかるエピソードがとても少ない。
曰く、アニメ版逮捕しちゃうぞの楽曲を手がけているとか、アニメ版こち亀の楽曲を手かげているとか、やたら警察をテーマにした漫画に造詣が深いのはなにか意味があるのだろうか。
米光氏が編曲したCDのライナーノーツには、このシンセの音がすごいとか、あのシンセがすごいとかそういうことが多分に書かれていたので、よほどシンセが好きなのだろうと思われる。
ライナーノーツといえば、同じ日本ファルコムの「白き魔女」というゲームのサントラCDを持っていたのだが、そこのライナーノーツで「レーニン」というライターの人が白き魔女のBGMについてあれやこれやと言及していた。
飄々とした文章が軽快でとてもおもしろいライターの人だなと思っていたのだが、後に「馳星周」という名で小説家デビューをしたのだから驚きだった。
そう、「不夜城」で有名なあの馳星周である。
日本ファルコムはかつて新海誠も社員として働いてアニメーションを作っていたのだから、この関係も粒ぞろいと言えるだろう。
話がそれてしまったが、憧れの人を書きたいのか、ゲームミュージックの事を書きたいのかわからなくなってしまった。
侮りがたし、今週のお題。
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